新国立劇場バレエ団「ホフマン物語」鑑賞記

新国立劇場バレエ団「ホフマン物語」を、一昨日鑑賞してきました。
見たことが無いバレエって新鮮です。お話が分からなくても「どんなのかな?」と想像できるから。

私自身ホフマン物語は初見。でも大まかなストーリーは分かりました。元々ちゃんと戯曲があり、そして台本として書かれているものは初見でもきっと伝わると思いますし、そういう風に創られてます。なので安心して劇場に観に行って欲しいな。またオペラにもなっているので、オッフェンバックの「舟歌」はきっと聴いたことがあるはず。生演奏で聴くと情緒ありますよ。


物語が「踊り」で進行していると、見慣れていないうちは戸惑うかもしれません。
だけど佇まいや表情、身振り手振り、そしてどんな配役なのかもメークによって分かりやすく示してくれたりします。その他は登場の仕方やライトの当たり方でも分かる。
(今回は”悪魔”が様々な形を変えた登場人物となり、それによってホフマンが翻弄される、といった風に私は見えました)

ホフマン、要は惚れっぽいのだな。
若い頃は(人間と思っていた!)人形のオリンピアに恋したり、その10年後は体の弱いアントニアと結婚の約束をして、彼女は踊りすぎて(オペラの場合は歌いすぎて)亡くなってしまう。またその後は改心した生活をしていたのに妖艶な美女=ジュリエッタにクラクラしたり(十字架光線が面白かった)、そして老いた今は美しいオペラ歌手の恋人がいるのにも関わらず、すれ違いが起きる・・
そんな俗っぽい一面を、福岡雄大さんは非常に巧みに演じてくれました。
(彼はこういう役が、ホント似合うと思う笑)

元々バレエはキリスト教と大きく関係があって、キリスト教の考え方は「善と悪」が軸になってる。善=神で、神の赦し、と言うのがとても大きなキーワードだと思うのです。
それに対して日本の場合は「悪魔」と言う概念が無い。悪いもの=「お化け」か「悪霊」、または「妖怪」になるけれど、それを鎮められるのは法力を持ったお坊様であって、神ではないのですよね。(古い時代は陰陽師もいたかな)
そういった違いも感じつつ観るのが面白かったです。


今回オリンピアを演じられた小野絢子さん、毎度ながらこぼれ出るような色香を感じました。
きっと(天然的な)女優肌バレリーナなんだろうな。感度と技術がマッチする「何でも化ける」タイプの人。
そういった人を真似ようとしても無理!見て楽しむべき存在だなぁと。
アントニア、ジゼルのような境遇で切なかった。また“悪魔”がベースになった四役を演じられた渡邊峻郁さん、幕毎に違った雰囲気で存在感が大きかったです。

「コッペリア」や「ジゼル」、あと一つ?を足して混ぜたようなお話でコミカル。バレエもお芝居が上手い人達が演じると見応えありますね。

2/25まで公演はあります。当日のみに販売するZ券で今回も鑑賞しました。横並びの席でほぼ真上から見る感じだったので、光の当たり方が綺麗でした。

新国立劇場チケットボックスは、その他の当日券も(有れば)ウェブで買えるので助かります(^^)

ご興味ある方はぜひ!

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