ブラボーおじさんについて

久々にバレエの公演を鑑賞。
思いがけずZ席が当日取れたので、数ヶ月ぶりのバレエ鑑賞になりました。

最近SNSではブラボーおじさんや、コーダのフェッテ(回転)での手拍子等が色々話題になっていますが、今回は舞台鑑賞の度に遭遇する「ブラボーおじさん」についての私見です。

※ブラボーおじさんとは、バレエの舞台(主に公演)で
自分の推しダンサーが踊った後に「ブラボー!」と叫ぶおじさんのこと。


久しぶりに鑑賞したのは、新国立劇場バレエ団公演「眠れる森の美女」
今シーズンの開幕演目です。
個人的に、新国立劇場バレエ団の公演は好き。
ダンサーの皆さんが素晴らしいのもあるけれど、システム化されているチケット販売が有難くて。
(なぜなら当日券も、ネット購入できる!)
そしてZ席は、当日朝10:00に売り出される『見切れ席』のこと。お値段も安い!
現在生徒さんが増えず困っている身としては、とてもとても有難い。

※海外バレエ団招致公演エージェントの某さんにも本当はやって欲しいのだけど、いかんせん”貸しホール”状況での公演だと、中々難しいのも理解しております。

で、今回のZ席は劇場の壁側に沿ったお席で、私が座った席は1階でいうと3列目の場所。
(その4階部分!)
なのでステージには近い!だけど真ん中の奥は見えん!下手はほぼ見えん!

でもね、その場に参加してる🎵という気持ちにはさせてくれます。
だって、舞台観たいじゃない。劇場の空気を味わいたいですから。

そしてプロローグが始まり、妖精たちの踊りが始まった頃に・・出ました

「ブラボー!!!!!」👏

どうやら1階後方辺りから聞こえたかな?

休憩を挟み1幕が始まり、主役の木村優里さん登場!
登場して踊り終わってすぐ


「ブラボォー!!!!!」👏

もうね、アイドルのコンサートか!と言いたくなるぐらいの声量。
まぁ優里さん可愛いし、演じてる役もお姫様だし「推しなんだなー」とは分かるんですが。
その後ずっと「ブラボー!!」は続く・・ちなみに男性のソロの後ももちろん声はかかります。

基本クラシックの舞台って余韻を楽しむというか、終わった後の1.2秒は静かに、という暗黙のお約束事があるのだけど、踊りが終わった直後の掛け声や余韻を打ち消す拍手。
盛り上がるのは良いけど、なんかねぇ・・歌舞伎の掛け声とは違うんだし..



むかーし昔、私がバレエを観だした頃には、掛け声は確か無かったです。
その後もう少ししてから、今日はお疲れさん、頑張ったね、という雰囲気で「ブラボー♡」と声をかけるバレエの先生は居られたように思います(笑)
観客が自ら声をかけるようになったのは、多分海外バレエ団公演が増えた頃からかも?
ある意味「場を盛り上げる」意味もあるのかな。

だけど現在は余韻を楽しまない声掛けが多く、作品を見て感じていた世界観がその一声によって、一気に崩されることが増えてきてる気がします。

また円安でチケットの価格が高騰している現在、高額チケットを買う方達は
*自分の観たいダンサー
*周りの雰囲気
*自分の席からの舞台の見え方

を、ものすごく重視されてると思います。そんな時、自分の席の後方もしくは隣の人が「ブラボーおじさん」だったら、ショック大きいかも😣


もし舞台を観て感動して、どうしても声をかけたくなったら、”終わった後は数秒待つ”ようにしてみましょう。
元々バレエは「言葉を必要としない」芸術なので、拍手の大きさだけでも十分に伝わると思うのだけど、
それでも声をかけたい何かがあるとしたら、「自分がそうすることで、満足したいのではないか」
という点に気づいてもらえたらなぁーと思ったりします。

皆それぞれ、感動したいのです。
それは誰かに先頭切って欲しいとは決して思ってなくて(これは私の感じ方なのだけど)
推しだけを観に来てる訳でも無いし、物語全体を追ってる人も多い。
皆それぞれ味わってる感動がある、という気持ちかな。

今回は「ブラボーおじさん」について書いてみましたが、皆が気持ち良く見れることが舞台鑑賞では一番大切ですよね。



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バレエはまず、お話と音楽が分かれば理解できる(と思う)②

先日幼稚園バレエの先生から

「私の従姉妹が、都内某バレエ団で踊ってるんです🎵」と伺いました。

でも先生は余りバレエのことがわからず、観ても「綺麗だなぁ」ぐらいしか思えず、どう観て良いのかが良くわからなくて・・・と仰ってました。

余り理解しようとせずに、綺麗だなとか何か目に止まったもの、お話しと音楽を感じるだけで十分ですよー、と伝えました。
お話は普段レッスンで使わせてもらってる場所に、バレエの本がありますからご自由に見てくださいねーと^^



バレエのお話は多岐に渡るけれど、ロマンティックバレエの時代だと妖精などが多く
その後になると、お姫様や王子様といったものが増えてきます。
恋人同士のあれこれを描いたものや、もっと壮大なテーマになると自由と解放とか、とにかく豊富。
ファンタジー的なものを見たいのか、現実的なドラマティックなものが見たいのか。
これは題材の選び方によって、差がでるかもしれません。

すると、音楽の方が取っかかりやすい(のかもしれない)。
音楽を聴く機会が多い方には、音楽から入ることをお勧めしてますし
お芝居を観るのが好きな人には、踊りを見ることにもチャレンジしてみて、と伝えてますが
「分からないと、なんだか申し訳ない」という気持ちにさせちゃってるのは、こちらとしてもなんだか肩身が狭い気持ちになるものです。

バレエは、人気があって実力も定評のある人が踊ったものと
発表会で挑戦させてもらう立場の子供達が踊ったものとでは
確かに見え方は違ってくるけど

伝えたい思いと演じる思いには、差が無いと思ったりもするんですよね。
違いがあるとしたら、経験かな・・・
身に纏ってる空気とか・・
でも、音楽とお話の筋立てがしっかりしているものを大抵演ってるはずなので
そこに向ける演出や表現の指導もしっかりやってるのに
分からないと言われると、どうしたらいいのかな、と思うことは確かにありますね。

私も良く考えることだけど、答えが見つかりにくい問いかけ。
でも、皆踊りたくて、表現したくて、バレエに向き合っているわけですから
受け取ってくださる側の、本音やニーズをもっと探った方が良い気がしています。
そして育ってもらいたい、ですよね♪

皆様のお越しを、お待ちしております。



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バレエはまず、お話と音楽が分かれば理解できる(と思う)①

昨日とてもとても行きたかったバレエ公演が、大阪であったのだけど
残念ながら観に行けず・・・泣く泣く断念(涙)
で、夜はウチで音楽を聴きながら、舞台の情景を思い出していました。
(私も出演した作品なので)

ぜひ9年前のブログも読んでください。
弾丸日帰りした時の様子です。

バレエ作品は西洋のものですから
作曲家が居てその作品のためのメロディがあって
というのが、かなりはっきりしていると思います。
そしてストーリー(あらすじ)も、必ず存在。
日本のお能の場合も、もちろんありますよね。

劇、というとあれだけど
芝居仕立てにするのは、原作からはかなり色々端折りますし
そして展開も入れて、できるだけ具体化していきます。

アンナ・カレーニナはトルストイが原作で
ざっくり言ってしまうと、当時のロシア政府高官の奥様と
将校との不倫の物語だけど
原作に書かれている登場人物たちの心情が、ものすごく細やかで
そしてアンナの相手のヴロンスキーは、日露戦争にも加わっていたらしいと(昨日知った)
なると、途端に現実味が増してきます。

お伽噺ではない当時を生きた人たちのお話、となると
これも好みはあるだろうけど、ドラマティックで現実感がある。
でもどんな作品であっても「モデルとなる」人物がいたんじゃないかなぁ、と個人的には感じています。
なので、登場人物を自分に置き換えて想像する、ということが行いやすい。

バレエが分かりにくい、どう見ていいか分からない、というのは
なぜなのかなぁ‥と考えてみたけれど
抽象化されたことに対して、自分なりの答えを見つけにくいから
というのが、内心あるからじゃないかなと。

続きはまた明日に書きまーす。

皆様のお越しを、お待ちしております。



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写真も時には「観る」もの

日曜日は堂本教子さんの衣装展の後に、写真展も見てきました。
写真は時代が古いものになればなるだけ、存在感が増すかもと感じているのだけど、まさに。
「TOPコレクション 見ることの重奏」

これは確か、1907年頃のパリのアパートの一室だったと思う。
時代がかってるようで、でもこういった風景への憧れを持つ人だっているはず。

東京都写真美術館が所蔵している写真家の写真展だったので
その他にはウィリアム・クライン、マン・レイ等が撮ったものも展示してありました。
(マン・レイ、昔から好きなのです・・・)


マン・レイの「ガラスの涙」1930年

マスカラの広告用の写真だとか。涙は本物ではなく、ガラス玉だそう。
作り込まれてるのに、そこになにか見入るものを感じてしまうのはなぜ?
(ここでは登場させないけど、ウィリアム・クラインの衝撃的とも言える写真も)

自分の感想をあれこれ言葉にするのは、難しい。
陳腐になるからかもしれないし、くどくなるからかもしれないし。
でも「これは・・・・」と思うものを何度も見たくなるというのは、何かしらの感動を持って眺めている訳なので、言葉にするのが難しくてもその感情は大切に持っていたいな、と思うのです。

なので、時に写真展も良いものですよ♫


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堂本教子さんの衣装展

昨日まで座・高円寺で開催されていた、舞台衣装家堂本教子さんの展示を拝見してきました。

演劇やコンテンポラリー、舞踏の作品の衣装が多く、細かいディティールも見ることができました。
衣装を近くで見れる機会はそう滅多にないけれど、遠目からは見えないと分かっていても、手を抜かないのはさすがプロフェッショナル。

堂本教子さんは先日他界されて、これらの作品はすべて遺作だと思うと、人って生きてる間に何か生み出せるのはすごいことだなあと。
衣装自体は奇抜と思えるものが多いけど、創作をする側のイメージやアイディアが集まって一つの形になった訳で、演者さんが身に着けて照明を浴びたら、舞台上でさぞ映えただろうと思います。

人の身体には、実は纏えるものが無限大。
(見終わった後に、なんかジワジワきてます・・)


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111年目の中原淳一

渋谷松濤美術館で開催中の、中原淳一展に行って来ました。

中原淳一さん、美輪明宏氏が推してる方だなあと言うぼんやりした印象だったけど、実際に展示を見てイメージが具体的になりました。

可愛くて美しくて、美意識が高い。でもその美意識の高さの源が、戦争で破壊されたことからの復活と言う大きなテーマ。

イラストの展示も素敵でしたが、実際の洋服やデザインした浴衣などの展示もありました。それらが本当にお洒落!一つ一つ手が込んでいる。だけどそれも、洋服につぎを当てたりして大切に着るための工夫が原点。

ふと昔の母の様子が思い出されて、確かに自分でパターン(型紙)起こして作ってた。洋服が簡単に手に入らなかったからだけど、お洒落したかったんだろうなと。そんな世代には大いに刺さっただろうなあと思います。

今の時代と照らし合わせると、ちょっとそぐわないとかいう声も出てきそうな美意識だけど、それは戦後79年間のことを「過ぎ去った時間」だと思ってるからかも知れず。

色々な価値観が変えられてしまった中で、こんな丁寧さがあったのかと再発見するのも良いんじゃないと私は感じました☺️

「美しくなる」ということは、
他の人たちをアッと言わせるような美しさを見せびらかすことではありません。
また、決してゼイタクなことをするというのでもありません。
着飾ったりお化粧したりすることは忘れていても、身だしなみだけはいつも心がけて欲しいものです。
身だしなみの本当の意味は、自分の醜い所を補って、自分の姿がいつも他の人々に快く感じられるように、
他の人があなたを見る時に、明るくなごやかな気持ちに
なるためのものだということを忘れないで下さい。
(1956年「ジュニアそれいゆ」5月号より抜粋)


【午後からゆるっとバレエ】体験会お知らせ

皆様のお越しをお待ちしております。

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瑞々しい踊り

ライムライトさんのブログ記事、幕開けの足跡 -1986- でご紹介されていた《ステージドア》をYouTubeで拝見しました。

ライムライトさんの祖父執行正俊さんが作・演出をし、祖母の花月達子さんが振付を行ったオリジナル作品で、少女たちが楽しくバレエ教室に通う姿を想って創作した作品と紹介されています。

拝見した感想、なんとも子供達の踊りが瑞々しくて爽やかな気持ちになりました。踊りが瑞々しいと、見てる側は自然と笑顔になる♪

完成されきってない踊りを楽しいと感じるようになったのは、踊る側が意図を汲んで、精一杯表現しているからかも?と思うようになりました。演出や構成の良さも大きい。また再演されることがあれば、次は劇場で観てみたいです。

発表会の映像のため、YouTubeは限定公開になっています。ご興味ある方はライムライトさんにご連絡ください。

ちなみに、8月に二つ出演する舞台の子供達の踊りもとても瑞々しいです。「踊りは心」と言うけれど、言葉を必要としない相手とのコミュニケーション。

今しか出せない感性を大切にしたいなあと改めて。


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エミール・ガレ展

松濤美術館で開催中の「エミール・ガレ」展へ。これまで作品をちょこちょことは見たことがあったけど、展示物を一気に見たのは初めてで、中々楽しかったです。

先日ライムライトさんのスタンドFM で「歴史の話をすると、余りアクセスが伸びない」なんて仰っていたけど、歴史好きな身としては、物事の背景が分かるので楽しい。エミール・ガレが活躍したのも大きく時代が動いていた頃なのだなあ、と展示を見て知りました。(漠然としか知らないと、イメージだけになるよねえ)

唯一撮影🆗だったこちら、猫にプリントされた細やかな花柄が可愛い。

花瓶やお皿といったもの全てが美しくそして気品があり、皇帝ナポレオン3世へ食器を納められる資格を持ったお父様の影響があって、そして自らのセンスでどんどん美しい作品を生み出して行ったのだなあと思いました。工芸を芸術にまで高めたのは彼の功績とも図録にありました。

「雰囲気があるものが好き」

これは人の本能的な嗜好の一つだと思う。松濤美術館の噴水も雰囲気があります。やはり雰囲気=歴史の積み重ね、なんじゃ無いかしら。素敵なものを見るのは豊かな気持ちになりますね。


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新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」鑑賞記

今も昔も私の場合、舞台鑑賞は「1回を大切に」観るようにして、その日のキャストを楽しむようにしています。
長く舞台鑑賞をしていると、”主役”の存在がどの位いるかで、そのバレエ団の目指すものが分かるような。
1日しか公演が出来ない場合と、2週間近く継続して公演が出来る環境では事情が違いますもんね。だけど、どちらも舞台にかけるエネルギーは強いです。

*****

先日拝見した主なキャスト(4/28 マチネ公演)
ニキヤ:廣川 みくり
ソロル:井澤 駿
ガムザッティ:直塚 美穂
大僧正:中家 正博
黄金の神像:森本 亮介

振付/ マリウス・プティパ
演出・改訂振付/ 牧 阿佐美
音楽/ レオン・ミンクス
指揮/ アレクセイ・バクラン


*****

ニキヤの廣川みくりさん、とても丁寧で可憐な踊りでした。ニキヤが醸し出す独特の身体の線というのがあるけれど、それを巧みに見せつつ踊っていました。今回初役であそこまで踊れたら、素晴らしいんじゃないかしら。
ガムザッティの直塚さん、以前から前評判も高くて想像通りでした。大胆さや醸し出す雰囲気も「きっとそうだろうな」という感じで、期待を裏切らない。
でも(個人的に)前情報の無い踊り手が「え!?なんかすごいかも?」というのは、意外性があって観てて面白いものです。
きっと廣川さんはこの先「化ける」と思ったりする。

この作品には一人の男性(ソロル)を取り合って争うシーンがあるのですが、直塚さんが気迫で押しまくったので、廣川さんとしては一瞬引いてしまった感があったようにも見えたけど、でも目の前で高圧的に押しまくられたら、片方はちょっと醒めた感情になりつつも後から激高するというのは、人間の感情として大いにあり得ると思う。そういった絡みにも見えました。
(なのでよく海外の動画に上がっているような、お互い同時にヒートアップしてるというよりも、わずかな時間差で怒ってる、という風にも見えたり)
そういったお芝居はそれぞれの役作りの結果だと思うので、そんな見方も出来るんじゃないかなと思います。

ソロルはバレエ作品に欠かせない「クズ」扱いされているけれど(笑)、意志が弱いというより身分階級的にそうせざるを得なかったんじゃないかな、と今回初めて感じました。そう言った意味で井澤さん、好演されてました。身分の差は今の時代よりもずっと強くて逆らえないもので、そういった面をちゃんと感じさせるキャスト、中々珍しいかもしれない。(ニキヤは巫女で結婚はできない身、ソロルは戦士、ガムザッティは王侯の娘)

それにしても「ラ・バヤデール」の影の王国、昔私も何度か踊ったことがありますが、同じ牧版の振付で見ていて懐かしく感じるのと同時に、このコール・ド・バレエ(群舞)だけは、本当に妙な緊張感を観てる側にも与えるなぁと思いました。プティパは何をイメージしてこのコール・ド・バレエを考えたんだろうか?傾斜30度の坂をずっと片足アラベスクを繰り返しながら降りるって、超人技ですから・・・


先だってはバレエ「ラ・バヤデール」の時代背景という記事を書いてみましたが、公演のパンフレットには評論家の高橋さんが作品解説として寄稿されています。オリエンタルとかエキゾチック、という世界観、19世紀のロシアではまだまだ未知な存在だったのかも。
GWの5/5まで上演中です。後半にもし行ければ、また別キャストで観てみたいものです。


最後に宣伝🎶


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「白鳥の湖」ゲネプロ鑑賞

昨日運良く東京バレエ団「白鳥の湖」のゲネプロを鑑賞することができました。(なんと500円!)

白鳥の湖は大変有名なバレエでよく知っているゆえに「また白鳥かあ..」と素通りしがちな面も個人的にはちょっとあって。でも序曲を聴くと、これから始まるオデットの悲劇が予想され、物語が盛り上がって行くのが感じられます。やはり名曲だ!

【ブルメイステル】版の白鳥の湖はチャイコフスキーの原曲に立ち返り、ドラマ性を高め、最大の見どころである第三幕では民族舞踊の踊り手が実は悪魔の手先だったという、劇的な展開に変更されています。そしてこの三幕がとても面白く、そして王子とオディールのグランパドドゥが艶やかで色っぽかった。音楽(演奏)の影響かもしれないけど、ほんとに美しいパドドゥでした。

本番直前のゲネプロで1番大事なのは「オケ合わせ」なので、ダンサーと指揮者がロシア語で直接やりとりしながらテンポを決めていたり等、かなり綿密に行っている様子が見えました。

舞台当日の緊張感とはまた違う雰囲気、通し後のダンサー同士の合わせ、黙々と回転練習する王子等を見つつ東京文化会館の舞台に幾度か立ったことを思い出し、ちょっと懐かしかったです。

ちなみに昨日座ったのが2階の右端で舞台中央から上手側が見切れてしまい、最後のシーンは想像しながら鑑賞していましたが、明るい時は正面に見える彫刻家、向井良吉の雲形パーツが圧巻でした。
音を響きやすくする設計だそうです。

(白鳥の湖、当日券でもう一度観に行ってみようかなぁ…と思案中)


バレエクラス開講から24年目の春/体験早割行います

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