リズムを目で見てみると【音に乗る・2】

昨日に引き続き、【音取り】に関して。
先日とても興味深いツイートを拝見しました。
ぜひ三浦先生のツイート(コメント欄)も併せてご覧ください。
引用RTは私です^^

2つの動画は「メトロノーム」の音で、多分ヴァリエーションの一部を踊っていると想定されます。
(綺麗な動きですね♪)
同じリズムだけど、微妙に下の方が遅れて見えますが・・
だけど合ってるし、踊りの質感も違って見えませんか?
※優雅に、と力強く、の2つを使い分けているそうです。


音と音の隙間の”間”で遊ぶ、というのが踊りなのですが、音に合わせようとするとひたすらリズムを無視して、メロディの高い部分を耳は拾ってしまいます。なので早くなる。
また遅くなる場合は【音を聞いてしまってから、動く】ので、結果遅れて動いてしまう。
”間”にある”時間軸”を技術的に操作できるようになるのは、訓練が必要です。
「もっと音引っ張ってもいいのよ」なんて注意、受けたことある方もいらっしゃるかもしれません。


【早取りや遅取り、改善方法】

「音楽」は目に見えないものなので、抽象的です。
だけど楽譜だと音符があり、その指示された音符記号によって、目に見えるようになります。
譜読み以外だと、流れてくるメロディに合わせて自分で手を叩いてみたり、実際に流れてくる音に合わせて歌ってみたりすると、自分のリズムの速さや音程が分かります。
歌うと呼吸しますよね。早くなる人は、呼吸を無視して動いてることが多いです。

また音と音の間の部分で床をどう使っているか(擦っているか、蹴りだしているか、等)もチェックポイント。擦るべき動きで蹴っていると、早くなるのは当然です。
動きの質感に合わせた音楽でレッスン曲は組み立てられているので、リズムと動きは”セットで練習する”。
すると空気音の張り感も出てきて少しずつメリハリが生まれます。「踊って表現をする」というのは、そういうことなのです。
自分の音取りに対して不安にならず、しっかり耳で聴いて腰でリズムを取るようにしましょう。

貴重な動画のお陰でリズムが目にみえるようで、とても伝えやすくなりました。
貴重な研究報告をありがとうございます。



”健康で美しくバレエを踊れるための、質の良い指導”を心がけて23年。
大人のバレエクラスを参宮橋と目白にて、子供のバレエクラスを近県の幼稚園で開講しています。

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教則本のような音楽【音に乗る・1】

クラスを行っていると、どうしても受講される方の”精度を上げる”方に行ってしまう私💦
「その人の課題点」が目に入ってくると、どうやったら改善方法に気づいてもらえるか、という工夫をついつい考えてしまうのです。

ということで、2回続けて【音に乗る】ための記事を書きます。
いつも音からつい遅れがち、もしくは早くなってしまう方、ぜひお読みいただければ幸いです。


「ピエトロ・ガリ」のレッスンCDの画と

こちらが一緒ということに、やっと気づきました!(遅い  笑)
ドガの彫像です。

この展示を見た時は、まだ”バレエの世界史”の本が出ていなかったので、なんだかアッサリとした感想しか書けませんでしたが(苦笑)展示のボリュームにはビックリしていたんですよ^^


ピエトロ・ガリ氏はパリ・オペラ座バレエ団専属のピアニストで、新国立劇場バレエ団ピアニスト蛭崎あゆみさんも師事された方です。
とても整った(教則本的な)弾き方でリズムに狂いが無く、先日小学生にも聴かせてみたら「なんか聴きやすい」と言っていた子もいました(おぉ!わかるのかー)。
CDに収められているのは全部ピエトロ・ガリ氏の即興で、高揚感や抑揚がハッキリ。
知ってる曲は一つも出てこないけど、(活舌が良い感じなので)自然と耳が鍛えられそうです。

ちなみにこんな感じ。
キラキラと高揚した旋律。綺麗。



音を聞く=鑑賞とは違い、体に入って動かせるようになるのが、バレエをはじめとした踊り全般的に言えること。
音感は生まれつきではあるけれど、努力次第で良くなることも多いです。
さてその秘訣は??次回お楽しみに。


【苦手】を改善したい方は、お気軽にぜひ体験レッスンにお越しください。
個人レッスンも承ります。


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美しいとは・坂東玉三郎さんの衣装展

坂東玉三郎さんの衣装展へ行ってまいりました。
「四季・自然・生命」と題された衣装の数々は、目を見張るものばかり。

演目名と役名を書いておきますね。
並び順は四季です!

【春】
演目名 助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)
役名  三浦屋揚巻(みうらやあげまき)

演目名 二人椀久(ににんわんきゅう)
役名  松山太夫(まつやまたゆう)

【夏】
演目名 葵の上(あおいのうえ)
役名  六条御息所(ろくじょうみやすどころ)

演目名 壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)
役名  遊君阿古屋(ゆうくんあこや)

【秋】
演目名 信濃路紅葉鬼揃(しなのじもみじのおにぞろい)
役名  鬼女(おにじょ)

【冬】
演目名 廓文章(くるわぶんしょう)
役名  扇屋夕霧(おうぎやゆうぎり)

演目名 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
役名  三浦屋揚巻(みうらやあげまき)

どれも素晴らしい・でもこれは伊勢海老が・すごい・・


私は歌舞伎を余り観たことがないのですが、これらの衣装から演目名や役柄に花魁が多いんだなとか、源氏物語や平家物語から取ってるんだな、という程度はわかります。
「葵の上」の六条御息所は念が強い女性・光源氏の正妻である葵の上と恋の相手である六条御息所の車が争う場面の着物には、見入ってしまいました。

人を好きになり、そしてそれが実るというものばかりではなく、悲恋だったりすることの方が物語性が増す。
それらをこのように美しい衣装として表し、そしてそれを身に纏って実際に演じるというのは、「美しく」存在するために心掛けていないと出来ないものだなぁと、改めて思いました。
衣装は刺繡のものもあれば、織り込んで作ってるものもあり、まさに一点ものばかり。


こちらは本日まで。銀座和光にあるセイコーホールにて無料で見れます。
ご興味ある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
とても詳しい記事が載ってますのでリンクしておきます。
「坂東玉三郎 衣裳展 四季・自然・生命 ―時の移ろいと自然美―」 役者と職人が紡ぐ「時の芸術」, 至高の舞台を彩る衣裳を間近に セイコーハウス銀座ホールで6月18日まで 小説家・永井紗耶子さん



そして、私は本日は12:00~14:00(初級/基礎ポワント)のクラスを行っています。
こちらは目白の杜にて。
こちらもお時間ご都合ある方は体験できますので、下記からお問い合わせください。



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踊りを「揃える」

バレエのブログを長く書いてきていると、(私の場合は特に)あちこち脱線しがち・(反省)
なので今日は”基本に立ち返った”ことを書いてみました。
ぜひお付き合いください^^


昔からよく言われたことなのですけど

「皆が揃うためには、レッスンから一緒にやらないとダメよ」と。

喩えるとすれば「同じ釜の飯を食う仲間」みたいな感じですよね。
これってかなり整合性があって、90分のクラスを一緒に行うことで、全員の空気が揃っていきます。
(なので、舞台をやる時は”リハーサルだけ参加”よりも、クラスレッスンから参加の方が良い訳です。)


初心者であっても、他人の動きや気配を察知できる人は、相手の動きを見て真似ることが上手くなる=上達が早くなる。

気配を見ながら形をなぞれるというのは、踊りに対して必須のスキルで(多分お仕事でも使える?)
それができる人はアウトラインから形作ることが上手かったりもします。

指定された順番は、スタジオに複数名居たら全く同じことを皆が行う訳なので、焦る必要もないのですよ。
なので落ち着いて、時には周囲から盗み見て、自分の頭にインプットさせながら動きましょう。


「先生の指示に従う」

あるステップの際の指示で「右手、右足から動いてね」と言われたら、その通りにする。
私だけ足だけやりますとか、他の人と違ったことをやらないこと。
先生が伝えたことは、その日の課題です。
もしくは分からなくても、その通りにすること。

教えている側は「同じクオリティ」のものを見たいのです。(上手とかそういった意味ではなく)
右手、右足からと指示出しているのに、各自がバラバラだったら「伝わって無いのかな?」と思ってしまう。
間違えた人の中には「自分はまだできないからとりあえず、ま、どちらからでも出せばいいや」という考えになるケースもありますが、それはNG。
そういったことが習慣になり、正しく覚えられなくなります。


【まとめ】
今日の題名は「踊りを揃える」としましたが、クラスの中で様々なレベルの人であっても、全員の空気が揃うと、一定水準に見えるようになってくるものです。不思議。
思うに、人は「水平垂直」が歪んでると居心地悪くなる
誰かが違うことをしていると違和感として察してしまうから、空気感が保てなくなる。
多分そういった”肌感覚”みたいなものはきっと誰しもが持っていて、上手さのレベル云々じゃない部分だから、それが分かるんですよね、多分。

なので、動きを揃える=踊りを揃える、という点、ぜひ大事にしていきましょう。

Photo by 長谷川清徳

過去発表会「ジゼル」より第2幕
コール・ドバレエ全員大人リーナさんでした。


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踊るために、体を整える

今日は自分自身に向けて書いています。ゆるっとお読みください。

バレエのレッスンと言うのは、実に効率良くできていますね。
上へ上へ、と引っ張り上げる概念は、下垂する体を調律してくれますもん。
(本当にこの”下垂”というのが分かるようになりました・・・嬉しくない!)

いわゆる「引き上げ」等も、やっとつかめてきた感じ・
分かると、そんなに難しいものではないのですよね。
※維持するのが難しいのと、やはり具体的な部位が掴めないと「どこ?何をしたらいいの?」となる・
ただお腹を凹ませても引き上げにはならないから、腹筋の力で昔の砂時計にあったような、くびれをつくるのが理想形です。

こんなことを、最近自習では取り入れてて(ブリッジの手前みたいなやつ)
後ろに反る”カンブレ”の原理なのですよね。
カンブレではこんな風に腰は突き出さないけれども、胸を開き頭は後方へ、という感覚を養うには良い。

※やってみたい方は、十分に体が温まってからにしてくださいね。

バレエには柔軟性は必要ですか?と聞かれると「必要」だけど、「固くても踊れます」という、二つの答えが存在します。
体が固い場合は緩ませて伸ばすことで詰まりの部分が矯正でき、筋膜等もマッサージして伸ばしていくことができるけど、反対に”柔らかい”だけだと力が抜けて行ってしまうので、関節を守るために筋トレしまくることが必須になる。
分かってきたのは、自分の肉質(肌質)が柔らかい故に、本当に放置していると危険!ということ。

自分の体なので、どこまで手をかけるか、どこまで改造(?)するかも自分次第なのですけど(バレエを踊りたければ)、単純にストレッチしておけばいいよね、のではないのですよね・


さて、以前お知らせしましたが、木曜日夜クラスは残すところあと1回になりました
誰もいらっしゃらない時はリハーサルしてます。8月に踊る作品を振り付けていて(自作)、古典のソロなんてもう〜(無理だわ・多分?)
なので好きに創りつつ誰も見てないのを良いことに、時に自分に厳しく!変な工夫をやってます。
上の写真はその一例。

自分に時に厳しくだけど、状態を分かってこそナンボだなぁといつも思います。
ホントはこういった感覚を、もっと色々な人と共有したいのですよね。
もしご興味あれば(ご都合付けば)ぜひおいでください。



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「舞台鑑賞」劇場では気を付けて編 2

劇場という場所は

「歌舞伎、演劇、オペラ、バレエ、ミュージカル等を
演出の”照明”や”音響効果”を使って上演する場」のことを指します。


照明効果は演者やダンサーを照らし、観客を舞台上の世界=”非日常の世界”へ引き込みます。
また舞台が始まる前に”暗転”になりますが、それが誘導の合図。

そんな時、スマホやタブレット、またはスマートウォッチ等の”光”があると?
現実に戻されてしまいます。演出効果の妨げというのは、そういったことを言います。
夜道でも暗闇の中で何か光ってると、目立ちますよね。

目の働きには、違和感のあるものを見つけ出してしまう性質があり「あれ?」と視野に入ってきてしまったものに対して、脳が拾ってしまう。なので光が消えても、観ることに集中し辛くなる。
そのため飴やガムのカサカサ音もですが、こういった明かりも出さないようにして欲しいもの。
※プログラムが見たいから、上演中にスマホで照らすとか・気持ちは分かるけど終わってから見ればいいじゃない?


その他は、前回鑑賞した「シェイクスピア・ダブルビル」でのハプニング。

椅子の背に背中を付けて観ないと、トラブルの原因になってしまいますよね。
その他スマホ着信音やアラームの音とか。
なのでマナーモードではなく電源を切るか、場所によっては機内モードにしたりしています。



劇場とは違いますが、以前訪れた箱根の『岡田美術館』
ここはカメラやスマホ、タブレット、飲食物は一切持ち込めません。
(入場時に全員、貴重品ロッカーに預けます)
美術館自体も大きくて、結構見るものがあるのですが

⁂展示陳列品を照らす、照明が実に綺麗
⁂展示品を囲っているアクリルガラスが高性能で、光の照り返しが無い

これも美術館側の工夫と演出。「展示品の世界」に入りやすかったなぁと思いだします。
もちろん仕様が違うので真似はできないけれど、そんな場所もあります。



世の中には日常を持ち込んで良い場所と、持ち込んではいけない場所があり、そこをしっかり分けられるから『舞台鑑賞』を楽しめる。
劇場や美術館もただ展示を見せていたり、演目を上演しているだけでなく【文化を発信している】場なので、そういった位置づけも理解してもらえたらなと。
それは決して”ハードルが高い”ことではなく、ある一定のルール。
心の栄養を満たすために行く場所だから、鑑賞後の余韻のためにも、ぜひどうぞよろしくお願いします。


照明仕込み中の大和シリウス。
8月にこちらで踊ります。
がんばろ



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「舞台鑑賞」劇場では気を付けて編 1

舞台鑑賞、折角楽しみたくて行ったのに、そこで残念なことがあった・となると悲しいですよね。
劇場は知らない人同士が隣り合わせることも多いため、一定ラインの『決まり事』があります。

昨日はブログで、こんなことを書きました。

2幕のアダジオのシーンでバイオリンの音色が響くのですが、その時に後列から飴を食べるガサガサ音が・・現実に引き戻されてしまった(涙)
ほんと止めて欲しい。

わずかな雑音(異音)でも劇場では拾ってしまうことを、観に来る側は心して理解してと願います。
他のお客様の迷惑になる、というのは場の空気を壊すことなので。

新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」鑑賞記

上演前に

ご鑑賞中の飲食は固くお断りします。

というアナウンス、必ず流れますがホール内は飲食禁止です。
「お握りやサンドイッチ食べてる訳じゃないし~」とか思われるかもしれませんが、上演中は飴やガム、一口チョコレート等もご遠慮願いたい訳です。


なぜなら、「ビニール袋のカサカサ音がするから」

劇場では「カサカサ音」、即”ノイズ”に変わります。異音と言った方がいいかな。
この状況でなぜこの音が?等、特に敏感な人はすぐ感じ取ってしまう。
また咀嚼音もノイズとして拾っちゃいます。いやほんと、半径2、3メートル位まで絶対聞こえてる。
ボリボリ・・・いや、ほんまやめてー・・。
これは劇場の仕様がそうさせるんですよね。音楽が隅々まで届くように設計されているから。
日常生活であれば消えて(隠れて)しまう音でも、劇場では聴こえちゃうもの。
これが観てる側の集中力を途絶えさせてしまい、不快感の元に。


今は幕間の休憩時間が長くなりました。新国立劇場バレエの場合、25分あるかな。
その他でも30分とか20分位あります。ロビーで少し小腹を満たしたり軽くドリンク(お酒も含む)を嗜めるようになりました。(※劇場や催しにもよりますのでご確認ください)
その時まで我慢、または開演前に少し食べて備えましょう。
個人的には、空腹がグーグー鳴ってる方が好感持てます^^ 
皆さん何かしらの用事を済ませてここへ駆けつけて来てる訳ですから、「前もって」が出来ない場合だってあるわけで。


★明日はもう一つの”気を付けて”編予定。
マナーは相手から見て不快に思わないこと、を指します。
知らずに「残念な人」になってしまうのはもったいないし、また折角の観劇が楽しめますように。

こちらは東京文化会館。
座席の色がこんな風に変わっています。



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新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」鑑賞記

新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」鑑賞。6/11(日)13:00の回です。
今回は出遅れてしまい諦めていたのですが、前日に【おけぴチケット救済】で4階席のチケットを入手。
幸運でした。

新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」ピーター・ライト版、私は初見。
(新国立劇場バレエ団では、2021年に初演)
過去に出演した日本バレエ協会公演の”コンスタンチン・セルゲイエフ版”とか、その他の”テリー・ウェストモーランド版改訂”等とはかなり違っていて(その他にも昔のバレエ教室●●先生版とかも)印象としてかなり重厚感のある振付と思いました。
※ネタバレもありますが、よろしければお読みください。

******************************************
オデット/オディール 柴山 紗帆
ジークフリード王子  伊沢 駿
王妃         楠本 郁子
ロットバルト男爵   中島 駿野
ベンノ(王子の友人) 速水 渉悟


【重厚な第1幕】
冒頭シーン、父王の葬儀の場面から始まります。これまで出演したのは殆ど全て、前奏が流れた後にはパッと明るい照明と共に、王宮の庭で歓談する貴族のペア達が大勢出てきます。
でもライト版は貴族達は登場はするものの、喪中のため照明が暗め。
そしてお母様の王妃は父王亡き後の今後の采配で頭がいっぱいで、王子が明日21歳の誕生日を迎え婚約者を決めなければならない、というマイムも切実な感じに見えました。

衣装のデザインが、まるでシェイクスピアのお話に出てきそうな時代背景。
重々しい雰囲気のため、近くに座っていた子供達がちょっとモゾモゾ・間がもたなそうな感じでしたが、芸術監督吉田都さん【大人が楽しめるバレエ作品】を徹底されてる感。

1幕のパ・ド・トロワは通常「王子の友人達」という設定。ライト版は「クルティザンヌ」=”高級娼婦”が王子の友人・ベンノと踊ります。友人のベンノは「まぁ、気晴らしに遊ぼうよ」と言った感じ。
このベンノが素晴らしかった!テクニックもだけど、場が明るくなりました。
でも王子はお母様に言われたことや責任の重さにズシンと来ていて、そんな気分じゃない訳です。この心理描写がとても分かりやすく、今までの版だと「気が紛れることしていれば、僕幸せなのにぃ」と言う甘えんぼちゃんにも見えたので。



【バレエ・ブランにうっとりな第2幕】
冒頭は有名な「情景」から。やはり良い音楽だな♬チャイコフスキーは天才だ!と感じた後、湖の様子がキラキラしてて、4階席から見るととても立体感がありました。

さて、通常の「悪魔ロットバルト」は「魔術師ロットバルト男爵」。
魔術でオデット達を白鳥にしちゃったのか・なので梟ではありません。
ロットバルト男爵は(私の想像ですが)、ところどころで王子にも魔術をかけています。
狩りで白鳥を追いかけ、白鳥達が整列しているところに王子の友人達が弓矢を構える際それを止めに入るのですが、多分王子にしか人間になったオデットの姿は見えてないんじゃないか?と感じました。

オデットの柴山さんが細くて儚げで、王子の井澤さんのちょっと弱気な可愛らしさ(優し気で良いとこの坊ちゃん風)とよくマッチしていました。ロットバルト男爵は中島駿野君。すっかり貫禄ある役が似合うように。

白鳥といえばコール・ド・バレエ。フォーメーションの様式美が美しい。上から見てると綺麗な図形が様々に形を変えそして揃っていて、本当に古典バレエの醍醐味。(昔、沢山踊ったなあ・)
ライト版はオデットが踊るソロの時、傍にずっと王子が居るのが良いなと思いました。
好きな相手の側に居たい王子の心理?そういった細かい部分もお芝居で分かるようになっていて、観ていて楽しかったです。

※重要※2幕のアダジオのシーンでバイオリンの音色が響くのですが、その時に後列から飴を食べるガサガサ音が・・現実に引き戻されてしまった(涙)ほんと止めて欲しい。
わずかな雑音(異音)でも劇場では拾ってしまうことを、観に来る側は心して理解してと願います。
他のお客様の迷惑になる、というのは場の空気を壊すことなので。


【ワクワクな第3幕】
管楽器の重低音で始まる、この幕大好き。チャイコフスキーの音楽の層の厚さを感じます。
各国の姫=ハンガリー、ポーランド、イタリア、我こそは!とアピールしながら踊り、従えてきた各国の民族舞踊も華やか。
何度か改訂された後挿入されなくなった(と言った方が良い?)楽曲が、王女たちのソロに使われていました。個人的には好きな曲なのです。
ロットバルト男爵の登場の後オデットが出て来て、そしてその後スペイン、という流れは変わりませんが、スペインはやはり悪の象徴のままかな。

王子と黒鳥(オディールの)グランパドドゥが美しい。柴山さんは黒鳥っぽいなあ・と感じたのですが、4幕を見た後それは打ち消されました。
コーダの32回転、ちょっと勢い付きすぎたのかヒヤッとしたけれど、でもやはりグルグルと。
いつも想うのは「なぜ王子は騙されたか?」うーん・・純粋すぎるのかもですね。
だから昨日愛を誓った人と似てるけど、あれ違うんじゃない?と心では思っても、押し切られて結婚誓っちゃったりするんじゃないのかなと・


【最後の闘い、の4幕】
”スモーク”が焚かれた森の中の風景。白鳥達を自分も踊っていた時感じた疑問、主で有るオデットが死んでしまった後、彼女たちはどうなったんだろう・と。
裏切られて悲しみながら森へ戻ってきた後、オデット自身覚悟を決めるんでしょうね。だから付いてきた侍女(白鳥たち)も、主と運命を共にする気持ちになるんだろうな。
そこへ王子がやってきてひたすら謝り、オデットは赦す心の広さがあって・でもロットバルトは邪魔をする。そして最後の闘いを終えた後オデットは自死、王子は後追い、白鳥達は総出で反抗、ロットバルトは魔力を失い滅び、そしてベンノが・・と言うラスト。


【個人的感想】
プログラムを読み返すと「死ぬことによって結ばれる永遠の愛」とあるのだけど、ハッピーエンドではない。ただ2人で天国行って幸せになろうね、という結末。でも少しリアルな描き方でした。
それにしても重厚な演出で、こんなに白鳥の湖って観るのにエネルギー要ったかな?と。
見飽きちゃった気でいたけれど演出が変わると新鮮に感じますし、「お芝居を見ている」気持ちになりました。
6月18日までです。
千穐楽までダンサーの皆様たちが、怪我無くアクシデントなく踊られますことを願っています。


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感受性と継続力

6月1日でのライムライトさんとのコラボブログで、私のことをこんな風に書いてくださっていました。

感受性と継続力はダンサーの優れた特性かも

感受性とは【周囲からの影響を受け取る力】と言われます。
周囲の影響を受けやすいというのは、見方を変えるとセンシティブ(繊細)な一面もあって、異質なものを感じると目や意識がそっちへ行ってしまったり、誰かの意見に影響されやすかったり、とか。
なので感受性が強い場合、放っておいて勝手に自ら良くなることは殆ど無いし、むしろ手がかかったりすることもあるかも?しれません。


芸術家に感受性が強い人が多いのは、刺激を受けた後の残像が他の人よりも強く、例えるならフルハイビジョンとか4K?ぐらい?の鮮明さで記憶に残りやすいため、自分が何かを表そうとした時にその記憶に見合うだけのエネルギーを出すことができるからかなと思います。
小さな頃から文化芸術に触れさせた方が良いというのは、子供の場合は特に純粋に見たものを取り込んでくれるから。
圧倒的なものや、すごい!と感じるものに触れさせた方が、記憶の残像に残りやすいからです。

私の場合は家の近所に奈良の大佛さんや、神社仏閣が沢山あったからその影響は大きかったと思います。
なぜなら圧倒的に大きい造形物、自分が小さければその分大きさにびっくりするし、しかも古い時代から遺ってるものだとわかると、素直に「すごいー!」と思っていました。
それはバレエも一緒で、古い時代から続いているんだよ、程度の理解しかなかったけれど「自分が習ってるものは、すごいものなんだ」と思えていたから、自然にリスペクトしていたのかなと。


この二つの共通点は【美しいこと】。
大佛さんや仁王さん、四天王のお顔が綺麗という意味ではなく、造形美として本当に美しい。
またはキュッと捻り上げたポーズ等を見て、かっこいいと感じます。
(四天王は顔は怖いけど、私はかっこいいと感じますね。あと南大門の仁王さんも!笑)

子供の頃は何をやっても「あら、可愛いわね」で終わっちゃうけど、かっこいいとか美しいとか言われるようになるまで頑張ってみたい、と思うようになるかもしれない。
継続力はその繰り返しの期間が長いだけ身に付くもの。
簡単に辞めちゃうと力は身に付かないよ、というのはその通りだなと思います。


正面よりも、実はこのアングルからの眺めが結構好き。


さて、昨日は新国立劇場バレエ団の「白鳥の湖」を鑑賞してきました。
どうまとめようか・^^; こないだバレエの世界史も勉強してきたのもあって、また違った見方ができました。近々公開予定です。観れて良かったです。


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「大人のバレエ体験会」でした

昨日はスタジオミュークでの大人バレエ体験会でした。が、今回中々人が集まらず・普段レッスンしてくださってる方が「スタジオを体験する」という形になりました。
そして私がTwitterで呟いたことに、RT(リツイート)でご協力くださった方が多数おられたことがとても嬉しかったです。
ありがとうございます。

さて、スタジオミュークの雰囲気が伝わるかな?
ちょっと現代アートっぽい絵とかが、飾ってありますよね。
これらは、スタジオオーナーのベベさんが自ら描かれたそう。
キース・ヘリングみたい。
ベベさんの本業は音楽家で、私たちのクラス後にボーカルの個人レッスンをされていました。
ハリのあるとてもいいお声で、聴いていたくなる声色でした。


【スタジオの床や仕様】
バレエシューズでのレッスンはこの木目の床で大丈夫。
ポワントを履く場合はリノリュームを敷きます。でも今の基礎ポワントクラスの内容だと、全部敷く必要はないかな・と言った感じ。
床はとても踊りやすく、そして足に負担がかからない設計で作られているそう。確かに跳んだ時、足が楽でした。
天井も結構高くて、リフトもできます(今は私殆ど、リフトされないけどね💦)


【街の雰囲気】
これはスタジオオーナーさんからのインフォメーションで、六本木ミッドタウンが歩いていける距離にあるので、折角レッスンに来たのだから、時間がある時は帰りにランチでもして気分転換するのも良いんじゃない、と。
なるほどね、と想いました。ちょっと小腹減ったな~と思っても、お店が無いと寂しい感じがする。
もちろんミッドタウンじゃなくても良くて(笑)、赤坂駅の方には赤坂サカスも有るし、興味惹かれる飲食店も沢山あります。青山一丁目や乃木坂にも落ち着けそうなカフェや飲食店が点在。
そういったお店があるというのは街に活気があって人が集まるからなので、眺めて歩くだけでも楽しいかも。これは都心の醍醐味かな。郊外とはまた違う空気感です。


ということで、今後どのようにして何をするかはまだ未知数ですが、雰囲気が感じられれば幸いです。
スタジオを持たない身としては【クラス内容によって間借りする場所を選べるのも強み】だと思っております。
必ず絶対やります(^^)その折には参加してくださいね。


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