バレエ「ラ・バヤデール」の時代背景

「ラ・バヤデール」というバレエ作品があります。
現在新国立劇場バレエ団が上演中で、私も昨日鑑賞してきました。(鑑賞記は後日!)
で、このバレエは、ニキヤとガムザッティという2人の女性がソロルと言う戦士を巡っての争い、というのがザックリした大筋の内容なのですけど、その背後にあった世界情勢を今日は綴ってみます。

以前ライムライトさんと参加した”バレエ史研究会”で、振付家マリウス・プティパについて学びました。
(この時の様子は、YouTube動画にアップしています!)
その際レクチャーくださった先生が、プティパ作品と帝政ロシアの外交、内政、時事問題について年表にまとめてくださいました。

当時はアレクサンドルⅡ世の時代、ラ・バヤデールの初演年は1877年。
対英政策として「グレート・ゲーム」があって、それが中央アジアを支配下において国土を広げていきたいということで、イギリス側と争った訳です。

参考リンク→英露のグレートゲーム…中央アジアとイラン

ロシアは【不凍港】を手に入れたいと、南へ進路を広げる、イギリスはそれを阻む。
ちょうどその中にインドがあって、そのため「インドもいずれ我が手中に収めたい・・」という目論見から、このバレエ作品を創ったそうです。

ライムライトさんが「バレエの図書館~世界史」でも書かれていたと思いますが、ロシアは帝国時代からバレエを国力の一つとして利用している面があると感じます。
フランスにおいてバレエが栄えた時は、そこまでじゃないように感じるけど(ルイ14世の庇護の元、とあるので、大切にしていたもの、という個人的な認識)
言ってしまえば、それだけ利用価値があるというのかな。今でもバレエが好きな人は、どっぷり熱中しちゃいますもんね。
そんなミニ知識の中、このバレエ作品を鑑賞するのも良いかもしれません。


ちなみにプティパ個人は純粋にバレエを大切にしていた人のようですし、時代的に仕えてる場での命令も有る訳ですから、とにかく職人的に沢山バレエ作品を創ったそうです。
時代が違うと当然人の考え方も違いますから、その部分は現代の私達がしっかり認識すべきことかなとも思っています。


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「バレエの歴史を学ぶようになってから想うこと」YouTubeでご紹介いただきました。

10/1のブログは、こんなことを書きました。

するとですね、記事に関心を持ってくださったライムライトさんがご自分のYouTubeで、感想を交えてご紹介くださいました!ありがとうございます。
切り込み方がソフトなのと、素敵な声で聴きやすいのでぜひご視聴ください。

「バレエの歴史」を学ぶようになってから想うこと”は、(3)も書けたらいいなぁと今ぼんやり考えているところだけど、この動画で思っているのに近いことをお話しされているので、ちょっとずつ頭の中で整理できつつあります。タイミングというのは、なんとも面白いものですねぇ。



先日バレエのエポールマンを伝える時に、秋篠寺の伎芸天の話をしたことがあって。
微妙な捻じれが何とも言えない美しいポーズ(佇まい)の仏像なのですが、それを伝えた後にレッスン生のポージングが、とても綺麗になったことがあります。
(伎芸天の写真を見たい方は、ググってみてくださいね。余り良いのが無いけれど 笑)

頭の中で整理できたら、また(3)を書こうと思います。
そしてライムライトさんとの対談(気楽なラジオっぽい感じで)も、実現させたいな。
歴史って面白いんです。そのことも感じてもらえたら嬉しいです。


薔薇の精のニジンスキー
体の捻じれ方は、ちょっと仏像と似てるかも?しれない。(個人的意見)


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「バレエの歴史」を学ぶようになってから想うこと(2)

昨日はコンテンポラリーダンスのクラスを受けました。
多分4か月振り?ぐらいじゃないかな・・無心になれて、とても気持ちよく心地よかったです。

コンテンポラリーは嫌いじゃないのですが、膝を使う動きが苦手で(痛みが起きたりする)
そうすると苦手意識ゆえに遠のく・と言うのを繰り返していて、身体にしっかり入っていない気がしていたのだけど、昨日の感覚はそうじゃなかったので大変嬉しく感じました。


「バレエの歴史」を学ぶようになってから想うこと(1)

今日はこの続きをゆるりと。

伝統のあるものが好き、というと時に「固い」印象を持たれることがあって、不思議だなぁとずっと思ってきたのですが、多分それらが持つ”厳しさ””規律””上下関係”的なものを、私がふとした時に醸し出すからなのかな?と。
それは社会の規範の部分とも思うのだけど、それらを敬遠する人達は”平等”という考えをどこか都合よく考えてないかな?と感じることがあります。

芸術の高みにあるものは、元々は限られた人(財力、権力)が、当時の知恵や考えを集めて作ったものなので、それは一般の人は無理。だけど、遺るものは頂点に居た人達が慕われて敬われていたから遺っているんじゃないの、と思うのですけど。(人の場合は庇護したり、援助したり、建物の場合は残したり、建て直したり)

でも世界の情勢が変わると、そういった力関係は崩れて新しい価値観が生まれる。
そうなってくると、これまでは高みにあったものでもそうじゃない、という考えを持つ人が増えたりして、そして一部で過激化すると乱暴でしかない。そういったのをネット等で見る度、複雑な気持ちになります。

誰でも自分が大切にしているものを、壊されたら怒りますよね。それが実は直接自分とは関係なくても、大切と捉えてる部分で有ればなおさらだし、そこまで行かなくても、ちょっとがっかりしたり。
そういった気持ちを、最近実はバレエにもちょっぴり感じていた次第です。
でもだからこそ、自分の中心にあるものは何かな?と探す機会にも繋がっていて。

憧れが子供の頃と違って少なくなってきてる、というのもあるかなー・・・(笑)それは仕方ない部分だけど。
なので、新しい風を入れていかないといけないなーと思うのかもしれない。
そういった意味でも、コンテンポラリーダンスは吹っ切れた気持ちになれて楽しかったです^^

ジェローム・ロビンス
彼の振付は好きですね。
この時代が、今も憧れ。



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バレエ史研究会を聴講してきました:後編【まとめ】

後編になったところで、やっと本題へ。
先日Twitterで「バレエ史研究会」が開催されるのを知り、主催をされている方が私の母校で今バレエ史を教えておられるのも興味深く、参加しました。
(日女は今”舞踊科”があるのですよね。当時は体育科舞踊専攻)
私たちの頃も「西洋演劇史」という教科が有り、それで歴史等は学びました。

そして、ライムライトさんにもお目にかかることができました。 
想像通りの方でして、代替わりで引き継がれているバレエ教室の雰囲気もさながら、とても真摯な方達が集まっておられるのが分かりました。
本のことをとっても詳しくまとめようとされていますので、ご紹介します。
「バレエの歴史 15世紀イタリア編 -1-」


研究会に関しては昨日の記事内の目次の部分をスライド等も活用しつつ、ほぼ100分でまとめてお話くださった先生に拍手です。
世界史を見ていると、勢いを持った後衰退し、また別の場所で勢いを盛り返したら散り散りになり、でもそこで勢いを付けたりと、栄枯盛衰を繰り返してきた部分が日本の文化とは異なる点なのかな、とも感じます。
(昔は”他国を従えてゆく”というのが強い証拠なのと、更にもっと昔は宗教の力が強かったというのもありますねぇ)その中で発展してきた芸術なのだなと改めて。


ではかなりざっくりですが、まとめ〜

15~17世紀のバレエ
ルネサンス:中世的価値観からの離脱
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロが活躍
ルネサンスがもたらしたバレエの芽として
富裕層(金融業などを営む)都市貴族の祝祭、余興としてパッサダンツァとバッロという2つの舞踊が生まれる

ルイ14世が自ら創作して踊ったと言われる時代は絶対王政、観客は王侯貴族達
余興として始まったバレエでも、筋書きや幕間構成はこの頃からも存在

王立バレエアカデミーが設立
バレエのポジションを考案

ロココの時代、パリ・オペラ座の女性舞踊手:マリー・カマルゴ
「靴の踵を取って踊った」と言われる
(ポワントシューズの前身)
足を打ち付けるパ”アンドルシャ”を生み出し女性で初めて跳躍のステップを踏み、技術水準を高める

19世紀前半、ロマンティックバレエの時代になり市民層も劇場でバレエを観るように

神話、伝説、幻想、異界といったモチーフが、バレエ作品に多く取り入れられる
バレエ衣装が軽やかになり、ガス灯、ワイヤー、緞帳などの演出もこの頃から

ブルジョワジーの支配”パトロン化”により、西欧ではバレエが堕落し衰退

西欧に変わり、ロシアでバレエが花開く
帝政末期のロシアではマリウス・プティパが物語バレエ作品を多数創り、現在の劇場型バレエの形式に
「帝国主義」の時代

「バレエ・リュス」とロシア革命以後
世界にバレエが伝わる
(日本にバレエが伝わったのもこの頃)

アメリカでジョージ・バランシンが、ロシアで確立されたバレエから物語性を排し、純粋な身体の動きを追求した作品を生み出し、これまでの概念を変えるバレエ作品を多数発表

第二次世界大戦後の東西冷戦中
ヌドルフ・ヌレエフやナタリア・マカロワ
ミハイル・バリシニコフがソ連から西側へ亡命し新たな境地を開き、バレエの大衆化に繋がる

シルヴィ・ギエムの登場以後
バレエダンサーの概念が大きく変わる

※これらは、お話や本から私が興味深いと感じたものを載せてみました。
(端折ってしまったのもあります)
これ以降現代はコンテンポラリーバレエ等もあるので、更に多岐に分かれていきます。


現在は誰でもバレエに親しめ、場合によっては踊りたいものも踊れたりする等、かなり一般的にも浸透してきていますよね。
今習う人達にとって「自分が時間とお金をかけてきたものは、それに値する存在」という実証や意味があると良いんじゃないかと。そういった面でも最近バレエの歴史を学ぶ機会が増えたのは、とても良いことのように感じています。

なぜ魅力を感じるかと言うと、やはり美的な要素が強い踊りだから。
そして舞踊全般に対しての基本となる部分がしっかりしているから。
また観るだけでなく踊るなら、自分の身体を使って行うもの。それなら本質の部分を知っていた方が、より楽しめるんじゃ無いかな、と感じている次第です。


【まとめ】
なんだか随分濃い世界!と私自身も感じましたが(笑)、研究として「深く狭く」があれば、親しむのは「広く浅く」でも十分楽しめます。
私は【広く浅く】をモットーにしつつも”時に深く、狭く”をこれからも心がけていきたいと思っています。その方が面白いし、教えている立場から「伝えやすい」方法をこれからも模索していこうと思います。
今回はこの辺でおしまい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました♪



5月27日と
6月10日、体験会があります!
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体験会のお知らせ① 対象:子供バレエ(小学生以上)   (終了しました)

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バレエ史研究会を聴講してきました:前編

私は歴史が好きで面白いなーと思う性質なのですけど、中にはきっと「歴史嫌い」な方もおられますよね。
多分「難しい」や、「年号覚えなきゃ」という負荷(ストレス)がかかると嫌になってしまうのかも。
でも、その年代の頃に何が起きてたの?と思うと、きっと興味が湧くかもしれません。
※人間の進化、というとダーウィンみたいになっちゃうから【昔と今の価値観と状況、考え方の違い】と捉えた方が良いかもしれないです。


先日ライムライトさんがご紹介されていましたこちらの本、私も読んでおります。
名著をみつけたのでクラシックバレエの歴史やります
著者は海野 敏先生。
発刊された際からバレエに詳しい方達(評論家とか研究の方とか)の前評判が高く、どんなものかな?(私でも理解できるかな?)と購入した次第。



本は通常最初の章から読むのが通例だけど、今回は敢えて一番最後の章から読んでみてます(笑)
※「本は自分の興味あるところから読んで良いんだよ、という父の教えもあって。

この本の場合後半に行くにしたがって、より最近の出来事に近くなっていくため
「今」の時勢を知りたい場合、後半から読んだ方が分かりやすいかも?と思ったので。
いや、中々興味深い内容です。

そして昨日、こちらの講話を拝聴してきました。
明日へ続きます~

ちなみにKayanoBalletStudioのHPにも、バレエのプチ歴史のご紹介があります。



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