新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」鑑賞記

新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」鑑賞。6/11(日)13:00の回です。
今回は出遅れてしまい諦めていたのですが、前日に【おけぴチケット救済】で4階席のチケットを入手。
幸運でした。

新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」ピーター・ライト版、私は初見。
(新国立劇場バレエ団では、2021年に初演)
過去に出演した日本バレエ協会公演の”コンスタンチン・セルゲイエフ版”とか、その他の”テリー・ウェストモーランド版改訂”等とはかなり違っていて(その他にも昔のバレエ教室●●先生版とかも)印象としてかなり重厚感のある振付と思いました。
※ネタバレもありますが、よろしければお読みください。

******************************************
オデット/オディール 柴山 紗帆
ジークフリード王子  伊沢 駿
王妃         楠本 郁子
ロットバルト男爵   中島 駿野
ベンノ(王子の友人) 速水 渉悟


【重厚な第1幕】
冒頭シーン、父王の葬儀の場面から始まります。これまで出演したのは殆ど全て、前奏が流れた後にはパッと明るい照明と共に、王宮の庭で歓談する貴族のペア達が大勢出てきます。
でもライト版は貴族達は登場はするものの、喪中のため照明が暗め。
そしてお母様の王妃は父王亡き後の今後の采配で頭がいっぱいで、王子が明日21歳の誕生日を迎え婚約者を決めなければならない、というマイムも切実な感じに見えました。

衣装のデザインが、まるでシェイクスピアのお話に出てきそうな時代背景。
重々しい雰囲気のため、近くに座っていた子供達がちょっとモゾモゾ・間がもたなそうな感じでしたが、芸術監督吉田都さん【大人が楽しめるバレエ作品】を徹底されてる感。

1幕のパ・ド・トロワは通常「王子の友人達」という設定。ライト版は「クルティザンヌ」=”高級娼婦”が王子の友人・ベンノと踊ります。友人のベンノは「まぁ、気晴らしに遊ぼうよ」と言った感じ。
このベンノが素晴らしかった!テクニックもだけど、場が明るくなりました。
でも王子はお母様に言われたことや責任の重さにズシンと来ていて、そんな気分じゃない訳です。この心理描写がとても分かりやすく、今までの版だと「気が紛れることしていれば、僕幸せなのにぃ」と言う甘えんぼちゃんにも見えたので。



【バレエ・ブランにうっとりな第2幕】
冒頭は有名な「情景」から。やはり良い音楽だな♬チャイコフスキーは天才だ!と感じた後、湖の様子がキラキラしてて、4階席から見るととても立体感がありました。

さて、通常の「悪魔ロットバルト」は「魔術師ロットバルト男爵」。
魔術でオデット達を白鳥にしちゃったのか・なので梟ではありません。
ロットバルト男爵は(私の想像ですが)、ところどころで王子にも魔術をかけています。
狩りで白鳥を追いかけ、白鳥達が整列しているところに王子の友人達が弓矢を構える際それを止めに入るのですが、多分王子にしか人間になったオデットの姿は見えてないんじゃないか?と感じました。

オデットの柴山さんが細くて儚げで、王子の井澤さんのちょっと弱気な可愛らしさ(優し気で良いとこの坊ちゃん風)とよくマッチしていました。ロットバルト男爵は中島駿野君。すっかり貫禄ある役が似合うように。

白鳥といえばコール・ド・バレエ。フォーメーションの様式美が美しい。上から見てると綺麗な図形が様々に形を変えそして揃っていて、本当に古典バレエの醍醐味。(昔、沢山踊ったなあ・)
ライト版はオデットが踊るソロの時、傍にずっと王子が居るのが良いなと思いました。
好きな相手の側に居たい王子の心理?そういった細かい部分もお芝居で分かるようになっていて、観ていて楽しかったです。

※重要※2幕のアダジオのシーンでバイオリンの音色が響くのですが、その時に後列から飴を食べるガサガサ音が・・現実に引き戻されてしまった(涙)ほんと止めて欲しい。
わずかな雑音(異音)でも劇場では拾ってしまうことを、観に来る側は心して理解してと願います。
他のお客様の迷惑になる、というのは場の空気を壊すことなので。


【ワクワクな第3幕】
管楽器の重低音で始まる、この幕大好き。チャイコフスキーの音楽の層の厚さを感じます。
各国の姫=ハンガリー、ポーランド、イタリア、我こそは!とアピールしながら踊り、従えてきた各国の民族舞踊も華やか。
何度か改訂された後挿入されなくなった(と言った方が良い?)楽曲が、王女たちのソロに使われていました。個人的には好きな曲なのです。
ロットバルト男爵の登場の後オデットが出て来て、そしてその後スペイン、という流れは変わりませんが、スペインはやはり悪の象徴のままかな。

王子と黒鳥(オディールの)グランパドドゥが美しい。柴山さんは黒鳥っぽいなあ・と感じたのですが、4幕を見た後それは打ち消されました。
コーダの32回転、ちょっと勢い付きすぎたのかヒヤッとしたけれど、でもやはりグルグルと。
いつも想うのは「なぜ王子は騙されたか?」うーん・・純粋すぎるのかもですね。
だから昨日愛を誓った人と似てるけど、あれ違うんじゃない?と心では思っても、押し切られて結婚誓っちゃったりするんじゃないのかなと・


【最後の闘い、の4幕】
”スモーク”が焚かれた森の中の風景。白鳥達を自分も踊っていた時感じた疑問、主で有るオデットが死んでしまった後、彼女たちはどうなったんだろう・と。
裏切られて悲しみながら森へ戻ってきた後、オデット自身覚悟を決めるんでしょうね。だから付いてきた侍女(白鳥たち)も、主と運命を共にする気持ちになるんだろうな。
そこへ王子がやってきてひたすら謝り、オデットは赦す心の広さがあって・でもロットバルトは邪魔をする。そして最後の闘いを終えた後オデットは自死、王子は後追い、白鳥達は総出で反抗、ロットバルトは魔力を失い滅び、そしてベンノが・・と言うラスト。


【個人的感想】
プログラムを読み返すと「死ぬことによって結ばれる永遠の愛」とあるのだけど、ハッピーエンドではない。ただ2人で天国行って幸せになろうね、という結末。でも少しリアルな描き方でした。
それにしても重厚な演出で、こんなに白鳥の湖って観るのにエネルギー要ったかな?と。
見飽きちゃった気でいたけれど演出が変わると新鮮に感じますし、「お芝居を見ている」気持ちになりました。
6月18日までです。
千穐楽までダンサーの皆様たちが、怪我無くアクシデントなく踊られますことを願っています。


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大人のバレエクラスを参宮橋と目白にて、子供のバレエクラスを近県の幼稚園で開講しています。

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新国立劇場バレエ団「シェイクスピア・ダブルビル」鑑賞

先日鑑賞してきた「シェイクスピア・ダブルビル」
ようやく感想が書けます♬

まず、私は殆ど当日券で買うことが多く
余程「これ、人気演目やねー・」
とならない限りは事前に買わない、変な人です^^;
今回も当日券で観に行きましたが、安めのお席でした。(お財布事情によります)
これは自分でも納得の上なので、多くを求めないと言うか
(求めるなら、事前にS席やA席を買っておけば良いので)
舞台を観れるだけでも良いと言う気持ちで、観に行ってます。

新国立劇場は、詳しい方なら分かると思いますが
4階席の傾斜が、かなり急。
見方を変えると、傾斜を急にすることで
(可能な限り)安い席の方にも楽しんでもらおう、と言う配慮かなと。
でもそのためには、背中をしっかりと座席に付けて観る必要があります。

私が観に行った日は4階L列で、舞台の4/1は見えませんでした。
席種的に見えなくても文句は言えないけど
下手側でのキーポイントになる演技が殆ど見えず
(※そういう場合は、私は何が起きてるかを想像するようにしてます。)

すると、L列の舞台張り出し席の若干名が前にのめりだして観ていたため
私の前列のおじいちゃまが「見えないだろう!背中つけてくれよ!」と
上演中に注意されたのです。
声自体はそんなに大きくないものの、結構周りには響いたようで
(ただそのおじいちゃまも、かなり堪えていたのが分かります)
真後ろの席の私としては、ちょっと興醒め・・・

そう、こういうのが一番厄介。
舞台って非日常を味わう場所なのに
なに、現実に引き戻してくれんてんねん、ゴラア!

とは言わないけれども
なんで自分だけが、観たいと思ってんのよ?ああん?
とは思います。
(これは、前のめりしてた、人に対して)

お陰で、前の人の頭が動く➡私も動かさざるを得ない
の、ウェーブの連続で・・ マクベスは余り堪能できませんでした。

『マクベス』
マクベス:奥村 康祐
マクベス夫人:小野 絢子 

「血みどろ」と言う表現も確かにしっくり来るけれど
人間の”欲の表れ”ですね。権力への欲。
小野絢子さん演じるマクベス夫人が、とても巧にマクベスを煽り
奥村康祐さん演じるマクベスが、見事にそれに応え
王をはじめ、自分の周りを粛清していく有様が見られます。
最期、マクベス夫人は自死の道
マクベスは殺められる・・


※そして休憩中に、劇場係の方にこのことを相談したところ
なんと、お席を変えてもらえることになりました!♡
しかも自分が購入したよりも良いお席。
※3階席の正面エリアの右端。

その後は『真夏の夜の夢』
タィターニア:池田 理沙子
オーベロン:速水 祥悟
パック:石山 蓮
ボトム:福田 圭吾

ヘレナ:増田 裕子
ディミートリアス:小柴 富久修
ハーミア:中村 春菜
ライサンダー:小川 尚宏

2つのカップルの悲喜こもごも&妖精の王&妃の関係が
なんか一時ややこしくはなるけれども、最後はハッピーエンド。
こちらは全体的に「可愛らしい」印象の作品で
マクベスの血みどろさを洗い流してくれました。
重厚な作品の後に可愛らしく心温まる作品が来ると、ホッとするけれど
重厚な作品を演じたダンサーの心理面を、ふと感じてしまう自分がいます(笑)

その昔、ギリシャ喜劇とギリシャ悲劇に始まり
シェイクスピアやその他の戯曲を数十冊読む
と言う課題授業をこなした身としては
「悲劇の方が、より人間の本質が出る」
と言うことが、なんとなくわかる気がします。

演じることの大変さに加え
しかもかなり大変&大胆な振付で
ダンサーの皆さんの対応力、頑張りに拍手です。

5/6が千穐楽。
お時間ある方はぜひ(^^)/


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ハンブルグバレエ「シルヴィア」鑑賞

ハンブルグバレエ「シルヴィア」
菅井円加さん主演、鑑賞してきました。

おけぴ(チケット救済)を時々活用します。
昨日も5階席のチケットを入手でき、出品者の方に感謝。


菅井円加さんの全幕主演を、やはり見たくて。
彼女は強いイメージがあるけれど(実際に体幹がものすごく強靭)
だけど、しっとりとした情感こもる表現も絶品で
これだけ切り替えることが出来る逸材は滅多にいまい、と感じました。


テクニックが強いのは言うまでもないのですが
ブレが全く見えないのは、なぜ?と思い
昨日こちらを観てから出かけました。
(ロングバージョンがYouTubeにあるので探してみてね!)



ノイマイヤーの作品を観たのはかなり前で
とにかくダンサーがゆっくり歩いたり、無音の中でゆっくり動く
と言う部分しか覚えてなかったのだけど
今見ると、少し日本の能の動きに近い感覚も無い訳ではなく
静寂の中で、まるで時が経過するのを表しているよう。
衣装も装置もシンプルでスタイリッシュ(象徴的)
美しい人達が、これでもか!と登場し、動く動く。

ストーリーの持って行き方も、動き(踊り)と表情で感じとれるから
(大筋として西洋的な)演技ではあるけれど、円加さんを見ていると
日本の古い時代の女優さんのようにも見えて
ノイマイヤー氏が心底彼女を信頼して、役に用いたのが伺い知れます。

トップクラスの人達が醸し出す境地を見るのも、ホント大事
昨日のブログにも書いたけど、特効薬(笑)
本当に素晴らしい時間でした。


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舞台鑑賞に想う

ダンスでも音楽でも絵画でも
必ず誰かから影響を受けていますよね。

スタジオの中で、先生のお手本を見たり、言葉で指示を受ける
➡自分と比較する➡直す癖を付ける➡直すための方法を理解したり知識を付ける
と言うのが、通常の練習なら

舞台を観に行って、広い空間で踊る人を見ることで
自分を客観視することは、ちょっとした特効薬的な意味合いもあったり。
(そこで踊ってる人は、自分ではないのだけど)


舞台鑑賞、都内に住んでいるお陰で
頻繁(?)とは言い難いけど、なんだかんだ観に行けるのは本当に有難い。
アッパークラスの公演から小さな発表会まで、ほんと沢山。

私は公演の場合は「勉強代」と思い
発表会の場合「出演者の応援」と思って足を運ぶようにしています。

チケット購入の際は、お財布が寂しいのもあって
最近は遠い席からばかり見てますけど(苦笑)
それでも足を運んで観ることは、何か得られるものがあるから。

良いものを観ると、それが劇場中に伝搬する
それを楽しみに、観に行ってる気がします。

良いものを目で観た➡頭の中にインプット➡体の細胞に伝わる
➡自分の動きと共鳴する➡細胞が生まれ変わった気がする(笑)

そういった時に受け取ったものを、まずはじわーっと感じるのが楽しい。
余韻を楽しみたいので、一人で観に行くことが圧倒的に多いですが
後から観に行ってない人に「こうだったよー」と説明する時に初めて
自分の中でキャッチしたものが、言葉として出てくるんじゃないかなぁと感じています。

「踊るってなんぞや」
を、ものすごく考える今日この頃ですが
”良い誰か”からの影響を受けたい気持ちはまだまだあって
それに、舞台鑑賞は一役買ってくれてるのかなと思います。


★写真は子供の頃ずっとよく見ていた、チャイコフスキーのレコードの本
(知らない間に古本屋に持って行かれていたため、めちゃショックだった・)
この中の写真を見ながら、音楽をひたすら聴いていました。
写真からイメージするしかなかった頃からすると、今はいっぱいありますねぇ。




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新国立劇場バレエ団、ローラン・プティ振付『コッペリア』鑑賞

新国立劇場バレエ団、ローラン・プティ振付『コッペリア』鑑賞。
2021年5月に、無観客公演になってしまったものの
4日間全キャストを無料でライブ配信されたのを思い出します。
毎度の4階席でしたが、オペラグラス片手に観てまいりました。


古い映像で観た限りだったこの演目、さすがフランスバレエ。
ステップもさながら首や肩の動かし方のニュアンスが、いかにもプティ独特のニュアンスで
発想かも、なんて想います。
特に目線、もしかすると第二次世界大戦下での状況(?)で磨かれたものなのかも?
フランス人てどこか目で会話すると言うか、口で言ってることと目で言ってることが違うと言うか(笑) それが振り付けにも反映されてるのかなーと。※あくまでも個人的意見です。
小気味よさや衣装、照明のセンスは「かっこいい・・素敵・・お洒落・・」
と思わず感じ入ってしまう部分です。


最近観た動画で拝見した或る舞踊家の方が、こんなことを仰っていました。
「良い踊りをするには、良い質のものに触れるに限る。
悪い教師に習うと、その質感が個体であるそれぞれの身体にうつってしまう。
だから、良い教師に習わないといけない」


昨日は小野絢子さんのスワニルダ。
彼女をどうしても観ておきたい、観に伺いたいと思ってしまうのは
小野さんが持つ質感の良さなのかもしれません。
フランツの福岡雄大さんも好演されていて、安定のペア。
このお二人はやはり安心感がありますね。
寺田亜沙子さん以下の友人達も可愛かった。

この作品は、コッペリウスの『偏愛』があるように感じています。
自分の気に入った存在を、別の対象に投影して愛でる。
なので、見方によっては恐ろしくも見えるし、フェティッシュ的にも見えるし
可哀そう、という見方もできるかな。
山本隆之さんのコッペリウスはどこかチャップリンぽいというか、けれど紳士的。
それがプティのセンスたる部分なんだろうなと思います。







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再び、ジゼル

いいものを見た後はやはり清々しく、洗われたような気持ちになるのは
それは演者さん(踊り手)達の発するものが、客席に伝わるからだと思う。

前回はZ席でジゼルのお家やお墓が見えなくて、再度リベンジ。
今回はD席4階上手側の席が運よく取れ、素晴らしいパフォーマンスを堪能できました。
(Z席は有難いので、また利用します^^)

昨日は学校からの参観もあり、高校生たちが沢山ロビーに出てきました。
学校の企画で観れるなんて、なんとも羨ましい。





実際にジゼル2幕だけでも踊ったことがある身として
浮遊感もそうだけど、なんとも言えない空気感とか
(幽霊になっちゃったけど)伝わる愛情を、なんとなく自分に置き換えて見てしまったりします。
(できるかな、できないかな、は置いといて)


現実とは少し違う世界観を味わいたくて劇場に足を運ぶわけなので
鑑賞は、色々な見方があって良いと思う。
そして安心して観ていられることは、それだけ懐が深い踊り、ということだと思います。

10/29のクラスレッスン&スタジオパフォーマンスは延期につき、参加者を再募集いたします。

1月21日と告知していましたが、スタジオ事情で2月上旬に変更予定です。

『大人のバレエはエレガントに美しく』
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おんがく歴史おと絵巻2 鑑賞

こんにちは。
バレエ教師兼ダンサーの河合かや野です。


昨日はこちらの音楽鑑賞へ。
「おんがく歴史おと絵巻2」
友人のピアニスト、みっこさん企画主催のコンサート。
面白かったです!
(音楽コンサートが面白い、と言うのも珍しい笑)


ピアノトリオ(ピアノ、バイオリン、チェロ)、ハープだけでも十分素敵なのに
そこにお芝居が加わる!?しかもお侍さん・・・

でもこれが実はとても効果的で、背中を正して聴くだけでなく
「そっか、なるほど」と言った気づきにも繋がって。
いわゆる「完成形」を目指したもの、と言うよりも
変容の可能性を秘めた本番だった気がします。

小島慶一さんの詩が、ドビュッシーの「夢~Rêverie~」に載せて読まれた時
間合いの絶妙さと音楽とが相まって、ジーンとしてしまいました。
そしてハープ!子供の頃に憧れて(多分童話の読みすぎ)いた楽器。
楽器の形も美しいけど、奏でる姿も音も美しくてうっとり。
ピアノトリオの演奏は本当にいつも聞き入ってしまう。音色が艶やかなのです。

昨日は珍しく日曜日のレッスンを休講にして、生徒さんも一緒にお連れしたのですが
とても楽しんでおられました。良かった良かった。

素敵な会をありがとうございました。

→募集は6/30まで延長しました。近々会のコンセプトについて、説明したものを載せたいと思います。

『大人のバレエはエレガントに美しく』
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新国立劇場バレエ団「シンデレラ」鑑賞

こんにちは。バレエ教師兼ダンサーの河合かや野です。

昨夜は新国立劇場バレエ団の「シンデレラ」を鑑賞してきました。(今回も4階席!^^)
幾度も上演されているのに、劇場で観たのは初めてだったので新鮮でした。

アシュトン版は、音楽と振り付けがとても綿密な気がします。
プログラムにもありましたが、ラジオ番組から流れてくるプロコィエフの音楽を聴いた後創作意欲を掻き立てられ、6週間で振付を仕上げたとか。
その他振付の特徴として上半身の動きはとても優雅に保ちつつ、足元のステップや足さばきはとてもシャープで込み入ってたりする。でもだからこそ、シンデレラのような煌めく輝きが生まれるのではないかなぁと思いました。

10年ぐらい前にシンデレラのPDDだけ踊ったことがあるのですが、いわゆる古典バレエ的な動きとは違って現代的でもあり、かといって、2幕のPDDは王子とシンデレラが出会った時のとてもウットリする時間を表すため抒情的な物語に見えるようにするのは、音の取り方もだけど、動きの質感も違ってとても難しかった記憶があります。でも楽しかったなぁ。
それらを実際に小野絢子さん&福岡雄大さんペアで拝見でき、実際の演出や煌めくセット、衣装と一緒に堪能できて、とても華やかな気分になれました。
四季の精や仙女も美しく、特に12時のシーンの演出は好み。おどろおどろしてなくていい。その前の舞踏会のシーンが美しいからか、余計にそう感じる。



シェイクスピアの国だからなのか、パントマイム的なお芝居も面白くて。
シンデレラでは男性演じる義理の姉妹がそれをやるのですけど、あれは踊り手側はどんどん深めて行きたくなる・・だろうな(笑)「やりすぎ!」の一歩手前ぐらいで、ちょうどいいぐらい。
奥村康祐さんの義姉は芸が細かいというか、関西のお笑いのノリが絶対入ってるやろ、と内心でツッコミつつ・・^^

シンデレラのお話自体は「正直ものは救われる」的で、私は好きなんですけど、小野絢子さんのシンデレラは「私、苦労したから報われたの」感が全く無く、本当に幸せを自ら引き寄せたように見えました。
(2幕の激難しいソロの時に地震があり、客席がヒヤっとした時でも、何事も起きてないかのように踊りつつけておられてましたよ。)

1回の鑑賞を大切に、これからも見ていきたいと思います。



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『カンパニーデラシネラ 不思議の国のアリス』鑑賞記

こんにちは。
バレエ教師兼ダンサーの河合かや野です。

『カンパニーデラシネラ 不思議の国のアリス』を、昨日当日券で鑑賞。
12:00頃にふと新国立劇場のサイトをみたら、まだZ席があるじゃないの!と
席の良し悪しはこの際無視で購入。劇場に着いたら、なんと一番前!
(側面側右斜め上から舞台を見下ろす場所、と言うと分かりやすいかな。)
見やすくてラッキーでした。

『不思議の国のアリス』は演出家の創意工夫の点から、ものすごく遣り甲斐がある作品なのかもしれません。

大きなパネル(板)や机、椅子を巧みに使いこなし、それらが時には背景になり、小道具になり
造形と人の動きが絶妙に絡み合って、お話のストーリーと一緒にものすごく想像力を掻き立てられる演出でした。抽象的なのに、わかりやすい。
★舞台の演出の方法、どこかで見た(もしくはやったことがある気が)と思っていたら、なんと短大の頃のパントマイムの授業だった気がする。当時はなんのことだかさっぱり?だったけど。

演者さん(ダンサー、とはちょっと意味が違うような・・)達の動きが綺麗。敏捷で全員が阿吽の呼吸を持ちつつ、素早く次の動きへうつる。私の席は斜め上なのもあって転換の様子も覗き込めるんだけど、舞台がハネた後、舞台上にはびっしりと貼られた場ミリテープが見えました。これらを覚えるの、すごいなぁ・・・。
舞台を観ることは想像力を育むと言われますが、今回は子供達の観覧も多く、笑い声があちこちで聞こえとても微笑ましかったです。

「カンパニーデラシネラ」は、去年の大河ドラマ『青天を衝け』で家康公の後ろで黒子姿で色々動いていたので、へー、なんだろー、と気になっていました。→https://derashinera.jp/activity/seiten_wo_tsuke/


観れて良かった。とても面白かったです。
バレエでも『不思議の国のアリス』ありますね。見比べてみるのもいいかもしれません。


『大人のバレエはエレガントに美しく』
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舞台鑑賞、やっぱり面白い

おはようございます。バレエ教師兼ダンサーの河合かや野です。

5月も最終週ですね。そんな昨日はクラス指導の後に、ある舞台を鑑賞してきました。
ホールに行くのは先日の舞台の裏方お手伝い以後。観客として舞台を見るのはやはり面白い♪


舞台にも色々あり、無料で開催されている発表会から高額なお金を払って鑑賞する公演まで、様々です。
有名バレエ団公演のようにある一定水準の高さが約束されているようなものから、何が出てくるか分からないビックリ玉手箱(!)のような発表会まで、時間と都合が合うのならぜひ見ておくことをお勧めします。

バレエをレッスンしているなら、出演者の踊りを観ることで、何が自分の発見になり、どう感じるかで、良くも悪くも自分を振り返る機会にできるんじゃないでしょうか。



舞台の告知は、主催団体の知名度や演目、出演者のネームバリュー等で話題になり、今は殆どがSNSを通じて拡散されていきます。
話題になればなるだけ観る期待も高まるし、希少価値のチケットが取れればその分”その舞台を観に行ける価値”は吊り上がります。
ですが、舞台芸術=公演の興行は往々にして、それで成り立ってるもの。
なぜなら演者の技量と鑑賞後の信頼感が前提としてあるから、だとも思っています。

バレエ・オファリングより

私もかつては結構見る目が厳しかったけど「色々観る」ことを楽しめるようになってから、太字で書いた考え方の本質にあるものが分かるようになってきました。ですが、あくまでこれは私の捉え方。

舞台を観に行く際、好きなダンサーが見れるというのは幸せなことですし、場合によってはラッキーだったりもします。ただ予備知識なしで観にいくことで、応援したくなるダンサーが見つかる、というのも大いにあり得ます。だから舞台は面白い。

舞台鑑賞、是非楽しんでみましょうね。




★バレエクラスのご案内★
Kayano Ballet StudioHP

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