バレエの先生という存在 ②


今日も「バレエの先生という存在」の続きです。

バレエの先生という存在 ①


今回改めて振り返ってみると
私が幼かった頃~20代や30代~そして現在
随分と色々なことが、変わってきてるなぁと感じます。

私が奈良で教わっていた頃のバレエの先生は
一言でいうと「芸術家肌」。
伝え聞いた話、SKD※松竹歌劇団出身だったとか?
舞台に対する情熱はとても高く
毎年の発表会は先生自ら、幕物に近い創作作品を毎回創りながら
そしてご自分も踊られるという、スーパーウーマンぶり。

その反面「生徒を囲ってしまう」と言う点についてはとても厳しく
「ウチを辞めるなら、バレエも辞めなさい」とか言ってしまう方で
私が大学進学の際に考え、上京した理由の一つはそれもありました。

このバレエの本を買ったのも、その頃。
「正しいレッスン方法を知らないまま、来てしまった」
と言う自分なりの焦りと、やり直しをしたいという想いから、お小遣いを貯めて購入。
(当時7000円)



当時はバレエ雑誌が情報源でしたね。買い漁ってました笑
本には序章に、こんなことが書いてあります。

(前略)かつて、バレエは時代の変遷とともに、その内容も変わる不安定な見せ物として、軽視されていた。興行主や批評家も、バレエを、バレエよりも起源の古いオペラの添え物程度にしか考えておらず、バレエ団の解散を要求したこともあった。ところが、バレエはその持ち前の活力と新鮮さを発揮して沈滞に陥っていたオペラ劇場を救済するようなことになり、今日では、バレエに対する軽視はようやく是正された。(中略)このようにバレエが悪戦苦闘しながらも、現在まで存続しえたのは、ひとえに踊り手たちの努力、並びにバレエそのものの持つ、本来の魅力によるのである(後略)

(前略)今日でも、ソヴィエトのバレエは世界でももっとも強大である。国家や人民の絶大な経済的支持、国家的な規模での舞踊教育の育成、豊富な男性舞踊手、バレエの純粋芸術としての国民的な理解と称賛、いずれもバレエ発展を促進しないものはない。だが、現代ソヴィエトのバレエは、少なくとも映画を通してみる限り、重苦しく、誇張が多すぎ、決め粗さが目立つように思われる。フランス起源の国際主義から離れたせいであろうか、知的な洗練さの欠如、世界中の人々が等しく認めるような優美さの喪失がみられる。ロシア人は、現在でも、西欧ふうの典雅、美的観念には無関心なのである。(中略)優美さというものは、もともと、非常に個人的な自発的行為の反映である。それはダンディズムの香りのするものではなければならない。ダンディズムとは、平板さ、同一水準、平均値には反発的なものであるはずである。(後略)

※これが書かれたのは1967年なので、ソヴィエトという表記になっています。

舞踊教師は、二つのタイプに分けられる。
舞踊の教育方法のうまい教師と、踊るからだの線の美しい教師の2つにである。
一人の人間が、教え方も上手で、踊るからだの線もきれいであるという二つの条件にかなう、ということは滅多にない。
初心者は、どことなく自分自身の個性にぴったりしているように思える一つの型だけに執着しがちなものだから、できるだけ多様な舞踊のタイプ、技法に接触する機会を持つことが必要である。そうすれば、初心者はその中から自分に合ったものを選択し、自分の方針をきめることができるだろう。(後略)

多分中々教わらない様なことが、サラッと書いてあるのが時代かも。
また私が思うに、古い時代の先生達は
戦後の社会情勢の中、築きあげて来られたせいか
その時代の「自分にとって最高のもの」を、とても大事にされている気がするのです。

なので「ロシアバレエは世界で一番すごいのよ!最高よ!」
と教えるのも良く分かるし(え、他の国のだってあるやん?なんだけど)
また先述のような、生徒を囲ってしまう点も(今なら)なんとなく分かる気がしたり。

当時は知らないことは知らないまま、だったけど
その後、色々分かってくるようになると
バレエって様々な側面を持ってるんだなぁと、思えるようになりました。


※ちなみに私が上京後13年所属した教室を辞めた後
元パリ・オペラ座のピエール・ダルド氏に師事。
その時のカルチャーショックは、以前も何度か書いてきていますが
「今までとは全然違う・・・・」が本音です。

続きはまた次回~

SAMSUNG

何年前?か忘れちゃったけど、久々に日本に来られたピエール氏と。




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大人のバレエクラスを、参宮橋と目白にて開講しています。
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